こだわりの地酒と焼酎のお店 高木酒店

甘口VS辛口

・ 甘口VS辛口

 
博多弁丸出しですが、ご容赦を。
居酒屋で飲んでる二人の中年オヤジの会話です。

「最近は端麗辛口とかゆうて、あっさりした酒が多くなってきとるね。」
「そうたい。きりっとのど切れのよか酒がうまかろうもん。」
「ばってん、酒はコメから造るっちゃけん、その味わいを生かさんでどうするとや。しっかりと腰の据わった酒やなからんと飲んだ気のせんやね。」
「そげんこつがあるもんかい。吟醸酒ば飲んだことがあるとや。華やかな香りとすっきり切れる味わいがお洒落やろうもん。」
「なんばこきようとな。せっかくのコメば半分まで削るやら旨みのなくなろうもん。お洒落やらいうばってん、吟醸酒はアルコールば添加して香りを出しよるアル添やなかか。」

お酒

「アル添やらいうな。昔と違うとぞ。ちゃんと醸造されたアルコールたい。醸造酒に醸造酒ばブレンドして旨くする素晴らしか技術たい。」
「それはそうたいね。純米の吟醸酒もあるやらすごい技術の進歩やね。ばってん、やっぱ、水のごたあ酒はもの足りんばい。夏に冷やして飲む一杯ならよかばってんが。」
「そら好き好きやろもん。冬でちゃ部屋まで寒くなかろうもん。」
「好みの問題やろうばってん、うまか料理にはお燗酒が飲みたかやね。美人のお酌でお猪口で一杯やら、吟醸酒にはできん相談たい。」
「あんたが言うごと、お燗酒には濃醇な酒じゃないといかんめえ。ばってん、冷酒でちゃ美人のお酌はできるばい。」
「お酒ってよかねえ。好いとうばい。」
「うん、ばり好いとう。」

別のテーブルの二人です。
「最近は酒のラベルに日本酒度やら酸度やら書いちゃるばってんが、あらなんな?」
「酒の性質ば数字にしたもんたい。日本酒度は数字の大きかほど辛口って意味たい。」
「そうな。なら酸度ちゃなんな? 酸っぱい酒という意味な?」
「なんばこきようとな。酸いか酒やら、ねまっとろうもん。きりっと切れる酒とそうでないもんとがあるやろ。この切れ味を出すとが酸味たい。だけん、酸度の数値が高かほど切れるお酒になるとたい。」
「ふうん。そしたら日本酒度も酸度も両方高か酒は端麗辛口になるとな。」
「そうたい。」
「日本酒度が低くて、酸度も低かったら、濃醇で甘口の酒になるとな。」
「そうたい。」
「日本酒度が高くて酸度が低かったらどうなるとな。」
「しつこかねえ。辛口ばってんコクのある酒になるったい。」
「ばってん、考えてみてんしゃい。酒の味を数値化するっちゅうとはなんか腑に落ちんやね。確かに酒を探すときに、初めての銘柄やったら味のわからんけん、参考にはなろうばってんがね。」

お酒

「あんたの言うごと数字で決まるっちゃないもんね。早い話、健康診断票ば見たら、身長やら体重やらはわかろうばってん、それでその人がわかるわけじゃないけんねえ。あくまで参考やね。」
「杜氏さんたちは手触りとか香りとか、経験をつんで技術を身につけていくとやけん、それを数字にするとは難しかろうねえ。早い話、同じ数値の酒でちゃ、おんなじ味はせんもんね。」
「酒には数字でわからん味わいがたくさんあるとば知っとってから、日本酒度やら酸度を参考にして選んだらよかたいね。それでおいしか酒に会えたら当たりて思うばい。」
「好みは人それぞれやけんね。ばってん、お酒はよかねえ。好いとうばい。」
「うん、ばり好いとう。」

おあとがよろしいようで。

 (平成25年11月)

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