嬉野温泉の湯豆腐
・ 嬉野温泉の湯豆腐
毎年友人たちと、佐賀県嬉野温泉「大正屋」に遊びに行きます。実は先日も行ってきたばかり。宴会でつかれた朝を迎えたときの温泉も素晴らしいのですが、楽しみは旅館の朝餉に出される湯豆腐です。
土鍋に張られた透き通った水に浮かぶ純白の豆腐。しばらく火にかけ、「できあがり」と仲居さんがふたを開けると、なんとミルクのような真っ白のスープの中に豆腐が浮かんでいるではありませんか。
豆腐が溶けた?いやちゃんと浮かんでいます。特製のごま醤油に生姜とネギと鰹節を入れていただきます。とろとろふわふわの豆腐が優しくお腹の中に収まったら、スープにもごま醤油を混ぜて飲んでしまいます。いやもう、その旨いこと。
白く変わるスープの秘密は、嬉野の温泉水にあります。含まれるアルカリ成分に豆腐のタンパク質が溶け出て豆乳に戻るからだと、ご説明を受けました。
最近は、スーパーの豆腐売り場でも見かけるようになりましたので、興味がある方は一度お試しを。
いつでも温泉水が手にはいるわけではないので、家庭で作る美味しい湯豆腐のコツをご案内します。
土鍋に昆布と水を入れて沸騰させます。うちでは面倒なので、市販の昆布だしを使っています。沸騰したら程良い大きさに切った豆腐を入れて火を止めます。ここがポイント。豆腐を入れたら火を止めて5分くらい、十分に温まったらいただきます。ほんとにとろふわの湯豆腐ができますよ。ポン酢や生姜醤油などお好みで。
嬉野温泉での湯豆腐は朝でしたのでお酒はいただきませんでしたが、大豆の香りとクリーミーながらしっかりと豆腐の味には、軽快でみずみずしく、きれの良い生酒系のお酒を冷やして飲むとよく合います。淡白な旨味を持つ豆腐と相性が良さそうですね。
(平成21年11月)
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